建築

2018年6月21日 (木)

梅雨の晴れ間に

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半地下にあるアトリエの、西の窓から外の様子が分からなくなってしまいました。晴れているのか曇っているのか雨なのか。

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梅雨の時期になると、毎年のことではありますが、キヅタが窓を塞いでしまいます。共同住宅のアプローチもベニカナメモチのトンネルになります。

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トンネルを抜けて空を見上げると、3階にある植え込みからアベリア(ハナゾノツキバネウツギ)が顔を出していました。植えてから来年で20年になりますが、毎年小さな花を見せてくれます。

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アトリエに降りていく階段の脇、集合郵便受けの足元に植えられているのは、永井荷風の小説の題名に使われているオカメザサです。

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一昨日の梅雨の晴れ間、若い衆に頼んで窓を覆う蔦を刈り取ってもらいました。45ℓのゴミ袋3袋分。明るくなりました。西側なので、梅雨明けまでに簾を取り付けねばなりません。(Shio)

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2018年4月19日 (木)

同級会の群馬ツアー

半世紀近く前にもなる中学時代の同級会では、前橋在住の幹事さんのおかげで、時々「群馬ツアー」なるものを開催しています。今回は12名の参加で、沼田、老神温泉、富岡方面に出かけました。

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真田氏所縁の「名胡桃城址」「沼田城址」などを車で巡った後、「吹割の滝」へ。不思議な地形と横に広がる水流の面白さに、しばし見とれました。その後は老神温泉で宴会。

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翌日は、前の晩、やゝ飲みすぎたらしい運転手役を励ましながら(?)宿を出発し、高崎からは電車で富岡に向かいました。この日のメインは世界遺産・「富岡製糸場」の見学です。

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入口にある建物は、「東置繭所」です。ここでは様々なインフォメーションや繰糸器実演・糸繰体験などを行っています。歴史紹介のビデオなども観ましたが、当時の最先端の工場だったことがわかります。「木骨煉瓦造り」で、木材は妙義山から、レンガは甘楽町の瓦職人が試行錯誤して焼いたもの、漆喰は下仁田のもの、と地元の材料を使っているそうです。

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この「東置繭所」の2階部分が、期間限定で公開されていました。乾燥させた繭の貯蔵所とのこと。真ん中の柱列とトラスが格好良い!演劇にでも使ったら素敵ではないでしょうか。

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こちらも木造のトラスが美しい、長さ140mの「繰糸所」です。自然光を多く採り入れるために、ガラス窓を大きく取っています。当時のガラスとサッシはフランス製とのこと。ずらりと並ぶ器械は、創業当初はフランス製でしたが、現在あるのは1966年以降に設置された自動式のものです。1987年に操業停止するまで115年続いた製糸場です。(Nak)



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2017年11月16日 (木)

ここんところの美術館

最近の美術館は写真写り(?)を気にしているようです。

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青山・ペガサスビル」でも書きましたが、東京国立近代美術館での展覧会「日本の家」では、13あるうち最初の3つを除く10のコーナーで、写真の撮影が許可されていました。これは菊竹清則設計「スカイハウス」の模型です。併設の、松本竣介、ピカソなどの逸品が展示されている「所蔵作品展」も多くは撮影許可なのに驚きました。

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渋谷区郷土博物館・文学館では「記憶のなかの渋谷-中林啓治が描いた明治・大正・昭和の時代-」を観ました。黒い線描に淡いセピアで着色されたスケッチはとても懐かしいものでした。作品を撮ることは出来ませんでしたが、入口に忠犬ハチ公の像が置かれ、記念写真用のセットが用意されていました。

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白井晟一設計の松涛美術館で開催中(11月26日まで)の「三沢厚彦 アニマルハウス:謎の館」では、着彩された木彫りのクマ、イヌ、ウサギなどの色んなギョロ眼の動物が、スケッチと共にたくさん展示されています。作品も建築内部も撮影不許可ですが、唯一、エントランスホールの虎はインスタグラム用(?)にか許されています。

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東京国立博物館の興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」(11月26日まで)はさすがに、全作品撮影禁止でしたが、観終わって、夕闇迫る午後6時半に出てきたら、本館外壁にプロジェクションマッピングで数々の仏像が投影され、多くの人が歓声と共にスマフォやデジカメを構えていました。(Shio)

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2017年10月 5日 (木)

青山・ペガサスビル

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山下和正建築研究所が設計・監理の「顔の家」です。目の働きをする窓、換気機能の鼻、出入りするための口がドアです。先週、竹橋の国立近代美術館で催されている「日本の家」展に行きました。(一部を除いて、撮影可です。ナント「所蔵作品展」も撮影可!)

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お施主さんの目立つ建築をとの注文に応えたそうです。御幸通りの「フロムファースト」や虫ピン模型で有名な「数寄屋橋交差点の交番」も山下さんの作品ですが、これを観て思い出したのは、外苑東通りの「ペガサスビル」でした。

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時々、この通りを行き来しますが、フラットなファサードが並ぶ中、各階で異なる凹凸の激しい外観は、昼夜共に存在感が際立ちます。竣工は39年前の1978年12月。けれど、古さを感じません。

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実はこの5階のバルコニーの手すりは、上から見るとお施主さんの横顔の輪郭になっています。昔、建築雑誌で図面が掲載され、解説されていました。こちらはさり気無いユーモアです。
なお、「日本の家-1945年以降の建築と暮らし」展は、展示が盛りだくさんの上、ビデオや体験展示もあるので、観るのに時間が必要です。僕は2回行きました。(Shio)

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2017年9月 7日 (木)

ときがわの旅「低温乾燥庫」

前回ときがわの旅の続きです。

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最初の訪問先「協同組合彩の森とき川」には木材を天然乾燥に近い状態に仕上げるための低温乾燥庫があります。写真は昨年5月、石神井の家の材料検査の時のもので、完成直前の状態です。

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今年8月のグリーンエア工法研究会で職業能力開発大学校の定成先生から、「ぜひ皆さんも庫内の空気環境を実感してください。」とのお話があり、今回、室温35℃、湿度70%に設定された室内に入らせてもらいました。

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内壁には数か所、温度・湿度センサーの「おんどとり」が設置され、30m離れた事務所からデータを見ることが出来ます。乾燥中の杉の構造材、板材に囲まれて5分ぐらい滞在した感想を言えば、なかなか気分の良いサウナ状態というものでした。

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高温乾燥による木材の細胞組織の変化による内部割れや香り、風合いの損失を防いで、かつ十分に乾燥するための試みですが、ちなみにこの温度と湿度は、人間にとって熱中症の「暑さ指数」にエイヤッと換算すれば「33℃、危険」となります。(Shio)

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2017年8月 3日 (木)

南木曽への旅

中央高速道を約270km往復して、伊那・南木曽方面に出かけました。初めて訪れた「妻籠宿」。江戸時代の宿場町の面影を残す町並みが保存されています。「電柱」はありません。

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妻籠宿の人たちは、昭和40年代前半に町並みを守る運動に率先して取り組み、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、その保存事業によって景観が維持されています。ここでは民宿や、飲食店、土産店などが営まれ、人の「生活する」町並みが見られます。

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軒先の花飾りです。秋、藁に渋柿を入れて干した後、取り出した穴に花瓶を入れて花を飾ったものだそうで、みんな足を止めて見ていました。

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囲炉裏のある間の、ひび割れた土壁が格好良いです。

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公開されている「脇本陣」の座敷では、旧暦で祝う七夕の竹飾りが飾られていました。ちょうど外人さんのグループが来ていて、珍しそうに記念撮影をしていました。

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あまりの暑さに、茶店に飛び込んで「かき氷」を食べました。クーラーはなくとも、あっという間に涼しくなりました。日本の夏・・満喫というところでしょうか。(Nak)







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2017年6月29日 (木)

ある日の耐震調査

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アトリエ海は東京都木造住宅耐震診断事務所に登録しており、また中野区の耐震診断士でもあります。中学時代の同級生から、終戦直後に建てられたお宅の相談を受けたのが切っ掛けでした。

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耐震調査には、新築と違って、どのような経緯で、どのような工夫や工法が駆使されているか、推理小説を読み解くような楽しみがあります。
先日、お伺いした築60年のお宅の小屋裏には、小屋梁ごとにそれぞれ2、3枚の足場板が架け渡され、天井裏には一面にビニールシートが敷き詰められていました。

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その答えは天袋の内壁に貼ってありました。
「天井裏と天袋にビニールを張ったことについて」と題された毛筆の覚書です。「この家を建てヽ丸五年経った三十七年・・・」で始まります。七月のある日、屋根裏に上って電灯で隅々を見たら、一面にゴミやホコリが積もっていたのだそうです。

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さっそく、古材を上げて掃除を始めたものの、汗がひどく、目や喉も痛くて苦しく、涼しくなってからやることにしたと続きます。結局、九月に入ってから、土曜日と日曜日を使ってお一人でやり遂げ、最終日、初めて奥さまを屋根裏に上らせ、苦心を語り、「天井裏にビニールを張る人は世間には少なかろうと笑って、・・苦しい作業が済んだことを喜び合った。」と結ばれています。署名には63歳とありました。いいなー。(Shio)

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2017年3月23日 (木)

廃墟の美

先日、横浜の先、根岸まで足を伸ばしてみました。根岸森林公園内にある競馬博物館のギャラリーなどに立ち寄った後、広々した公園を散歩しながら丘を登っていくと、気になる建物が見えてきます。

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この三つの塔のある建物は、「旧根岸競馬場一等馬見所(スタンド)」で、廃墟ファンの間でも有名なものとか。ここに競馬場ができたのは1866年で外国人が中心だったのが、やがて皇室や政財界の人々が加わり社交場の様になっていったそうです。この建物は、アメリカ人建築家J.Hモーガンの設計で1929年に竣工。「二等馬見所」と「下見所」の二つの建物は、老朽化のため解体されており、この建物だけが残っています。

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古いお城の様な外観です。戦後は米軍に接収され、1981年に接収解除となりましたが、反対側(南側正面)は今でも米軍施設に隣接しているため、見ることができません(!)。
こちら側からは横浜の港方面の眺めも良く、芝生の上で、家族連れが楽しそうに過ごしていました。

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スタンドの客席の形が良く解る西側面。この季節は、這い回る蔦の枝が不気味な感じですが、夏は緑の葉で覆われて、美しそうです。

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エレベーターのタワーとのこと、近寄ると存在感がすごい。丸い窓をはじめ、凝ったディテールが昔の華やかさをうかがわせますが、開口部を塞いだベニヤ板や波板がとの対比が「廃墟感」をより強くしています。

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前庭には、昔の写真や図面が沢山展示されています。その中の一つで、見ることのできない南側客席の立面図。図面も丁寧に書き込まれたものでした。何とか補修をしながら残してもらいたい建物です。(Nak)








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2017年2月16日 (木)

大学セミナーハウス「見学会とシンポジウム」

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先週の2月11日に八王子の大学セミナーハウスで新食堂棟の見学会とシンポジウムがありました。
午前の部の見学ツアーでは、U研究室OBの一員として、第一グループのツアーガイドを務めましたが、何度も来ているのにルートを間違えたり、ディテールの新発見もありました。開館して50年、奥の深い施設群です。

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新食堂「やまゆり」で昼食をとりました。2間(3,640㎜)グリッドで配置されている120角の柱が適度に空間を分節化して、大食堂にもかかわらず落ち着きのある雰囲気で食事、歓談することが出来ます。

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午後1時半からのシンポジウムは逆台形の本館4階の旧食堂で行われました。ここは、対照的に鉄筋コンクリートのシェル構造で食堂スペースに柱が全くありません。

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設計者の齊藤祐子さん、嶋田幸男さん、相羽建設の迎川利夫さん、そして構造設計の山辺豊彦さんから、多摩の杉を主構造とした新食堂棟の設計、構法、構造のポイントをお聞きしました。
プロポーザルコンペと確認申請等のお手伝いはしましたが、冒頭に設計スタッフとして紹介され、恐縮至極でありました。(Shio)

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P.S  当日は雲がかかっていましたが、「やまゆり」からは富士山がよく見えます。
関連ブログ・大学セミナーハウス
       ・シンポジウム「宇宙と原寸」
       ・長期セミナー館宿泊棟
       ・木造ドミノ・ソーラータウン府中
       ・セミナーハウスの枝垂桜
       ・装苑6月号とセミナーハウス
       ・U研究室に関する3冊の本
       ・この夏の大学セミナーハウス
       ・セミナーハウス食堂棟竣工





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2017年1月19日 (木)

「とらや」のふたつの階段

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柴又にある「寅さん記念館」に行きました。お花茶屋の「葛飾区郷土と天文の博物館」で開催されていた「セルロイドの町かつしか」を観て、帝釈天、記念館とまわりました。大船にあった「鎌倉シネマワールド」以来です。

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展示コーナーの一角に、帝釈天参道に位置する寅さんの実家の模型がありました。40作目から「くるまや」と名前が変わった団子屋さんです。間取りが分かり易いように2階を浮かせて作られています。

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映画を観ていて、台所の土間から上がる階段(1)と、お店と茶の間を繋ぐ縁側(?)にある階段(2)の関係がいつも気になっていました。前者は日常的に使われている階段、後者は失恋した寅さんが、意気消沈して旅支度で下りてくる階段です。

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それがこの模型で、判明しました。後者は2階の8畳間に直接上がるためのものでした。おそらく、お店の3畳の小上がりでは間に合わない宴会などで、この座敷を使う時のために考えられたのでしょう。それとも、2方向避難かな。

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模型の2階平面図を起こしてみました。部分模型のようで、第一作を観直したら、1の階段の右側にも部屋があって、舎弟のノボルがそこから起きてきました。(Shio)

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