建築

2019年7月25日 (木)

馬小屋を自力建設で

神奈川県から北海道・十勝に移住した友人夫妻は、馬を家で飼うために、色々と環境整備中です。

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まずは、敷地の周囲をしっかりした柵で囲います。周りは他所の農家の大事な畑なので、馬が出て行ったりすると大変なのです。ここは馬の運動場になるところで、白いペンキを塗ったら、いかにも「牧場」らしくなりました。

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そして敷地の隅に、馬小屋を「自力建設」で作り始めました。これは5月頃の風景です。木製の電柱材を地面に敷き、その上に土台を取り付けています。白アリは出ないそうですが、防腐剤はしっかり塗っていました。右の写真では、出入り口の枠と腰壁を組み合わせて建ち上げています。

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壁が建ち上がっています。3頭分の小屋になるらしい。とりあえず「道産子」と呼ばれる小型の馬、1頭が住む予定です。屋根はこれからです。一部2階を作ろうかという案もある様です。

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窓はこれから開けるそうですが、後姿も面白いです。ホームセンターで買える2”×4”材や合板をうまく使っているのに感心しました。

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自力建設のチームを率いるのはこの方。チーム、と言っても乗馬クラブの馬仲間で、ほとんどが女性ですが、土木作業、大工仕事、ちょっとした設備の工事もみんな自分たちでやってしまうのです。このように馬のトレッキングガイド等の仕事があるので、工事がなかなか進まないそうですが・・。(Nak)

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2019年7月 4日 (木)

30年目の集合住宅

1989年(平成元年)に竣工した「新井薬師の集合住宅」は2回目の大規模改修を行いました。

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商店街に面したファサードは三層構造で、屋根は銅板葺きの三次曲面、外壁はタイル張りの二次曲面です。改修に備えてずっと地下倉庫に保存してあった予備のタイルが、今回役に立ちました。

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集合住宅の入り口は裏通りにあります。そこに付けられている装飾金物は、ここで営まれていたお米屋さんの店先の、軒を支える方杖として使われていたものです。錆を落として再度、塗装し直しました。

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銅板の屋根は当初、鈍い金色でした。工事中には落ち着いた黄土色に変わりましたが、30年経って立派なメンテナンスフリーの緑青に育ちました。

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 プランの中央にエレベーターと階段があります。周囲の建物に囲まれているため、少しでも採光を得たいと、床板をステンレスのグレーチングで作りました。これもメンテナンスフリーです。雨もかかるのだから面積に算入しないで欲しい、と役所に掛け合いましたが駄目でした・・・。(Shio)

 

 

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2019年5月 9日 (木)

ル・コルビュジエ展に行きました。

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ル・コルビュジエ展に行きました。先月の中旬のことです。なるべく空いている時を狙って。

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上野の国立西洋美術館はル・コルビュジエが設計した建築で、1956年6月に開館しました。彫刻はブールデルの「弓をひくヘラクレス」

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三角形の天窓がある吹き抜けの大空間「19世紀ホール」は写真の撮影が許可されています。今月19日(日)まで。

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建築写真や作品の模型はもちろん、並べられていますが、今回の眼目はル・コルビュジエの絵画。吉阪隆正全集第8巻「ル・コルビュジエと私」の解説に、コルの絵のカラースライドを見せられた時の日記が紹介されていました。少し長くなりますが・・・

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「何かわからない形。しかし美しい形と色。何が?何が彼にあの色をあの形であそこに塗らせたのか?あの曲線の躍動は実に愉快だ。どこから見つけて来たのだろうか。彼の発明ではない。どこかにあったものを見つけて来たのだ。発見なのだ。どこからどうして?どうして私にはできないのか?」(1951・11・15)
模型は「ガルシェの家」1926-27。絵は「静物」1922で、2016年の「ポンピドウー・センター傑作展」の際、絵葉書を購入しました。(Shio)

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2019年3月14日 (木)

アアルト展で面白かったこと

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「アルヴァ・アアルト-もうひとつの自然」という展覧会の追っかけをしてしまいました。昨年の10月は神奈川県立近代美術館 葉山に行きました。

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相模湾に視界が開ける抜群の敷地に建つこの建築の設計・監理は佐藤総合計画。4つの美術館を巡る巡回展の最初の地として相応しい環境だと思いました。

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神谷美恵子「こころの旅」を読んでいたら、「人間のこころのよろこび」のひとつに「美しいものに接すること」と書かれていました。(上下2枚の写真はアアルトのウォルフスブルクの文化センター

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アアルトのスケッチや手書きの図面、写真、建築そのものに感じる第一の感慨は、僕にとってなによりもこの「美しさ」なのだと気づきました。

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それで、4月14日まで開催されている東京ステーションギャラリーにも先週、行ってきました。ギャラリーの設計・監理はジェイアール東日本建築設計事務所。

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椅子やガラス製品などは現物も置かれ、ドアの取っ手も展示されていました。使い易さ、材質感や触り心地を大事にしたことが解説されているパネルの下に、「触ってはいけない」シールが貼られているのが、なんとも面白かったです。(Shio)
図面は「HANDSKIZZEN UND TECHNISCHE ZEICHNUNGEN 1958-1963  ALVER AALTO RZENTRUN WOLFSBURG」より

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2019年2月28日 (木)

法政大学55・58年館

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2月23,24日は「Hosei University 55.58 Farewell Days」でした。

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中央・総武線「市ヶ谷}駅と「飯田橋」駅の真ん中あたり、線路脇に建つ法政大学市ヶ谷キャンパス55・58年館が建て替えのため、壊されることになり、お別れの見学会でした。

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ファサードの格子割が何とも粋で美しく、一度は中に入ってみたいと思いながら、今まで行きそびれていたので、慌てて駆けつけた次第。

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設計・監理は後年、茨城県公館(74)、千駄ヶ谷・国立能楽堂(83)など、和洋の様式を駆使した「混在併存」の大江宏建築事務所。

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戦後10年。まだ、物資の乏しい時代にスチールのカーテンウォール、コンクリートブロック、煉瓦、コンクリート打ち放しの円柱などを使いこなしてシャープで切れの良い空間が作られていたことに感動しました。(Shio)

 

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2019年2月14日 (木)

黄昏の横浜

先日、横浜の「赤レンガ倉庫」で、馬に関するイベントが開かれ、北海道の友人がブースを出していたので、遊びに行きました。横浜は久しぶりです。

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赤レンガ倉庫の2号館。妻木頼黄の設計で1911年に竣工しました。倉庫としての役割を終えてからしばらく放置されていましたが、2002年にリニューアルオープンして、横浜の観光拠点として活躍中です。カフェやレストランが入っていて、この日も賑わっていました。

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裏に回ると鉄骨の廻廊が付いています。港に面して、荷物の受け入れなどをしていた部分でしょうか。この「長さ」が格好いいのです。

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近寄ってみると、鉄部のディテールが面白く、見飽きません。白く見えている天井部分も、平らではなく、緩くカーブしています。

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メッセ会場は、1号館のほうでした。こちらは主に文化的なイベントに使われています。レンガの壁を生かして、設備等を組み込んだ鉄骨の機能的な天井を組み合わせています。たくさんのブースがひしめいていました。

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友人のブースを訪ねて、しばらく喋った後、外に出るとすっかり夕方になっていました。1号館のシルエットと、暮れゆく空に浮かぶ月がきれいです。

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大桟橋まで散歩して振り返ると、黄昏の「横浜みなとみらい」のビル群。日が暮れるまで、ずっと眺めていました。(Nak)









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2018年12月20日 (木)

上野・国際子ども図書館

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日曜日、学生時代の友人が現代書道院展で大きな賞を受賞し、友人数名と東京都美術館に観に行きました。その後時間があったので、歩いて数分、国際子ども図書館にまわりました。

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パンフレットによれば、明治39年(1906年)に帝国図書館として建てられたルネッサンス様式の洋館で、平成12年(2000年)に改築され、国立初の児童書専門の図書館に生まれ変わりました。

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面白かったのは、威風堂々たる木製ドアの押し板に鋳造されている文字。「おす?あく」と書かれているのですが、?は変体仮名で「登」。「と」と読むことを上記受賞者が教えてくれました。

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明治初期の方々は押すと開(あ)くことを知らなかったのでしょう。改築されたガラス棟は平成12年、増築されたアーチ棟は平成27年(2015年)竣工。設計監理は安藤忠雄建築研究所+日建設計。(Shio)

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2018年10月11日 (木)

昭和の古民家・十勝

度々出かける北海道の帯広近郊にある「旧川原家」は、昭和8年に建てられた民家です。富山県高岡市から入植した川原家2代目の方が完成させたもので、自営農業の傍ら、運送業や小間物屋を営んでいたとのことです。現在は帯広市に寄贈され、「とかち大平原交流センター」の付属施設として公開されています。

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当時としては珍しいコンクリート布基礎を用い、構造材は地元材、造作材は秋田杉を取り寄せるなど、贅をこらした建物です。マンサード風の屋根もちょっと洋風の味わいで、本州の民家と、北海道の暮らしに適した住空間をミックスさせた造りです。

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広い廊下をぐるりと廻して、各室の独立性を確保しているところ、トイレと浴室を屋内にしたところ、などが当時としては先進的だったそうです。

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仄明るい茶の間は、障子やガラス戸の格子の細かい細工がきれいで、落ち着ける雰囲気です。市民交流の場として、使われることもある様です。

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地元名家ならでは、の人の集まりに使われていた、床の間のある和室です。右側の欄間の彫刻も立派なものでした。

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川原家を背景にした昭和の写真発見・・ではなく、交流センター主催の「馬耕から十勝農業を学ぼう」というイベントでの記念写真です。知り合いの牧場の馬が、前庭の畑を耕すデモンスレーションを行い、好評だったそうです。

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同じ敷地内に「とかち農機具歴史館」があり、人力から畜力、そして大型機械への変遷がよくわかる、面白い展示施設です。人力や馬にひかせて使う農機具に見られる人間の「工夫」と形の面白さ、昭和20-30年代に活躍した輸入トラクターの、クラシックカーの様な「カッコ良さ」が一見の価値あり、です。(Nak)





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2018年9月27日 (木)

都の西北鳥瞰図

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先週送られてきた交友会誌「早稲田学報」の表紙は空から見たキャンパスの鳥瞰図でした。軸測投影図法、アクソノメトリックという描法で、プランの直角は直角のまま描かれています。配置図や平面図をそのまま使えるので、設計する者にとっては描きやすい方法です。

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表紙には早稲田キャンパスの全貌が描かれていますが、その一部、正門前、大隈記念講堂付近を拡大してみました。右下が講堂と大隈庭園。左上が會津八一記念博物館(旧図書館)、左下の緑青の屋根がアトリエ海担当の小野梓記念館、背の高いのが大隈タワーです。


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山手線に近い西早稲田キャンパスは空から見ると四角い箱をきちんと並べた積み木箱のようです。学生の頃、打ち放しコンクリートに囲まれた中庭で「灰色の青春」を嘆いていました。建築学科の研究室は責任を取るべしということで、一番上の17、18階にありました。

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ふたつの間にある文学部の戸山キャンパスは今、大きく変わろうとしています。村野藤吾設計の高層棟は5年前に建て替えられてしまいましたが、記念会堂の跡地には来年3月竣工の「早稲田アリーナ」が工事中で、屋上は緑豊かな「戸山の丘」になるのだそうです。なお、学部、学科の名称は旧姓。(Shio)

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2018年8月16日 (木)

水門の耐震補強

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お盆の墓参りで、菩提寺のある江戸川区今井へ出かけました。瑞江大橋を渡る時、見慣れた筈の今井水門が形を変えて工事中でした。

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高潮から域内の浸水を防ぐ水門は、また地震の際の津波にも威力を発揮しなければなりません。東日本大震災を踏まえて、最大級の地震にも耐えられるよう耐震補強を進めているとのことでした。

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現場に掲げられているお知らせ看板によると、工事は、水門を仮の扉で絞め切り、堰柱(下部)や門柱(上部)のかさ上げや補強がなされ、上屋が解体、新築されます。遠くに見えるアーチ橋は明和橋

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日頃見ている建築現場に比べて、スケールが雄大でダイナミック。川の流れもゆったりしていて、気分が大きくなりました。工期は平成32年の2月下旬までです。(Shio)

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